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ジャイアントステップスは、これまで聴くことも弾くこともあまりなかったのですが、今年、中古CD屋さんで何となく買って目覚めました。(も、もちろんコルトレーンチェンジ知ってましたよ(笑))
なんとなくですが、理屈っぽいコード進行で、猛スピードでの演奏技術の競い合いのような勝手なイメージを持っていたので、あまり惹かれなかったのです。ですが、これは本当に美しい!
ジョンコルトレーンが編み出したコード進行ということで「コルトレーン・チェンジ」と言われる長3度進行で、B-G-E♭(長3度間隔で12のkeyが3分割されている!)で行き来するという、幾何学的というか美術的というか、下に図を示しますが、5度圏(Circle of Fifths)の中で三角形を形作るコード進行なのです。
5度セブンス→1度(トニック)や、2度マイナー→5度セブンス→1度(トニック)のいわゆるツーファイブの基本的なドミナントモーションで勢いをつけながら、B、G、E♭を巡るという形です。
GIANT STEPS / 1959年4月1日,5月4・5日,12月2日録音 / ⑥,⑧,⑨以外:John Coltrane(ts),Tommy Flanagan(p),Paul Chambers(b),Art Taylor(ds) / ⑥:John Coltrane(ts),Wynton Kelly(p),Jimmy Cobb(ds) / ⑧⑨:John Coltrane(ts),Cedar Walton(p),Lex Humphries(ds)
①Giant Steps ②Cousin Mary ③Countdown ④Spiral ⑤Syeeda’s Song Flute ⑥Naima ⑦Mr. P.C ⑧Giant Steps ⑨Naima ⑩Cousin Mary ⑪Countdown ⑫Syeeda’s Song Flute
コード進行は次のとおりです。
| BΔ D7 | GΔ B♭7 | E♭Δ | Am D7 |
| GΔ B♭7 | E♭Δ F♯7 | BΔ | Fm B♭7 |
| E♭Δ | Am D7 | GΔ | C♯m F♯7 |
| BΔ | Fm B♭7 | E♭Δ | C♯m F♯7 |
5度圏(Circle of Fifth)でB、G、E♭は、正三角形になります。
コード譜どおりで見ると、前半は1小節単位で、左回りでB→G→E♭、G→E♭→Bと進み、後半は2小節単位で、右回りのE♭→G→B→E♭と進みます。
前半を2小節単位で大きくとると、ずっと右回りにB→E♭→G→B→E♭→G→B→E♭と2周と1歩進んで、次のコーラスに入るとも考えられます。
コルトレーンの探求心が感じられますね。
コルトレーンはこの自分で作ったコード進行の中でアドリブを吹きまくるわけですが、よくエピソードとして語られているのが、ピアノのトミーフラナガンがアドリブが途切れ途切れで弾けてないと言われますね。ピアノソロの後半の美しい和音で締めるあたりは流石名手のトミフラだと思うし、コルトレーンとのコントラストで全体としては良くなっていると私は思うのですが・・・