スケール練習

指の体操として、また,アドリブでのフレージングの基本でもある各キーのスケールの形を指になじませる練習として、メジャースケールとマイナースケールを全部のキー(12のキー)で弾きます。

1.メジャースケール

■Cのメジャースケールは、普通の白鍵ばかりのドレミファソラシドです。

ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド・〜 (Cのイオニアンスケールと言います。)

で2オクターブ上行・下行をします。スムーズにできるまでは、右手だけで、慣れたら両手で行います。ピアノ初心者の方で左手は難しいようであれば,右手だけでも頑張ってみましょう。(以下同様)

指使いには決まりはないですが,右手では,ドを親指から始めて,ミからファにかけて親指が中指の下をくぐってファを親指で,シからドにかけて親指が薬指の下をくぐって,2オクターブ目始まりのドを親指で弾くといった形で同様に次のドまで(最後のドは小指で)弾きます。

■次にキーを半音上げて同じように,上行・下行します。

レ♭・ミ♭・ファ・ソ♭・ラ♭・シ♭・ド・レ♭・〜(D♭のイオニアンスケール)となります。

黒鍵は基本的に親指では弾きにくいので,レ♭を人差し指から始めてミ♭からファにかけて親指が中指の下をくぐって,ファを親指で,シ♭からドにかけて親指が薬指の下をくぐってドを親指で,2オクターブ目も同様です。

■またキーを半音上げて

レ・ミ・ファ♯・ソ・ラ・シ・ド♯・レ・〜(Dのイオニアンスケール)

■以降同様にキーを半音上げながら、シ(B)から始まるBイオニアンスケールまで行います。

2.マイナースケール

■次は少し暗い響きのするマイナー調の曲で使われるマイナースケールです。

クラシックの音楽理論では、自然的短音階(ナチュラルマイナー)、和声的短音階(ハーモニックマイナー)、旋律的短音階(メロディックマイナー)の3種類がありますが,ジャズの練習ではメロディックマイナーを使うのが効果的です。

3種類の特徴について一応触れておきます。

  • ナチュラルマイナー(ラから始める白鍵ばかりの音階と同じ形(エオリアンモード))

ド・レ・ミ♭・ファ・ソ・ラ♭・シ♭・ド

  • ハーモニックマイナー(ドに解決する導音を明確にするため,シ♭をシにしている。)

ド・レ・ミ♭・ファ・ソ・ラ♭・シ・ド

  • メロディックマイナー(ハーモニックマイナーでは,ラ♭とシが短3度開いているのをなめらかにしたもの。下行は導音を考慮せずナチュラルマイナーに戻している。)

(上行)ド・レ・ミ♭・ファ・ソ・ラ・シ・ド  

(下行)ド・シ♭・ラ♭・ソ・ファ・ミ♭・レ・ド

メロディックマイナーは、始まりの音をずらせば、リディアンセブンススケールやオルタードスケールと同じ形で、指に馴染ませるには効果的なスケールなので、メロディックマイナーの上行型で練習します。

■マイナーもメジャーと同様に半音ずつずらして12のキーで練習します。

ド・レ・ミ♭・ファ・ソ・ラ・シ・ド・~

■キーを半音上げて,
レ♭・ミ♭・ミ・ソ♭・ラ♭・シ♭・ド・レ♭・〜

■さらに半音上げて,
レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド♯・レ・〜