ジャズとは


1.ジャズの歴史

今のような即興演奏としてのJAZZが定着したのは、1940年代なかばのことです。
チャーリーパーカー(サックス)、ディジーガレスピー(トランペット)、バドパウエル(ピアノ)といった新鋭ミュージシャンたちによって、それまでのダンスミュージック的なジャズ(スイングジャズ)から、元曲のコード進行に沿った即興演奏を主体としたジャズへと大きく進化しました。
これをBE・BOP(ビ・バップ)と呼びます。これ以降のジャズをモダンジャズといって、今のジャズの流れはこの延長上にあると言えます。

ビ・バップは、即興演奏の競い合いといった感じがあるのですが、もう少しすると、もっとアンサンブルとして完成度の高いものを求める動きが出てきました。
チャーリーパーカーのもとを離れ、即興より、アレンジに重点を置いたマイルスデイビスらの演奏に代表される「クールジャズ」、映画音楽が盛んになり、ミュージシャンが集まった西海岸で始まった「ウエストコーストジャズ」、ジャズの中心が西海岸へ移ったかに思われた後、再び活況を見せた「イーストコーストジャズ」など、いろいろ分類がされてます。
1940年代なかばのビ・バップに対し、1950年代なかば以降のこれらのジャズをHARD・BOP(ハードバップ)と呼びます。
ハードというのは激しいという意味ではなくて,良く練られたとかカチっとしたという意味で使われているようです。
その後、コード進行に合わせた即興演奏に行き詰まりを感じたマイルスデイビスがモードというものを取り入れて新しいジャズを作りました。代表的な曲に「SO WHAT」というのがありますが、これは、DmとE♭mだけからなる曲です。コードネームで書きましたが、コードではなくDドリアンスケールとE♭ドリアンスケールを(主に)使い、コードで起承転結をするのではなく、設定したスケール(音階)を漂うようにアドリブをします。
さらに、もっと自由にという方向に進んで行ったのが、「フリージャズ」というわけです。

2.ジャズの即興演奏

現在のジャズ(JAZZ)は、ビーバップ以降のモダンジャズの流れの中にあるので、曲の形式や分類ではなく、題材にする曲のコード進行を基に即興演奏をするという表現方法のことを指しているとも言えます。ジャズへの第一歩は、市販の楽譜(つまり、誰かが書いたアレンジ)から抜け出してみることだと思います。
一音一音書いてある楽譜ではなく、メロディとコードだけが書かれた楽譜で自由に弾けるようになり、メロディを変えたり、コードを変えたりというふうに発展させること。つまり、アレンジされた楽譜を見ながら弾くのではなく、自分でアレンジして、そしてそれを即興で演奏すること・・・それがジャズなのです。
JAZZでは、延々と長い演奏もありますが、それは長い曲という訳ではありません。題材にする曲を何コーラスも繰り返して演奏しているのです。

 

 



 

3.ジャズの基本パターン

ジャズの基本パターンとしては、
①原曲のメロディーを1回(ワンコーラス)みんなで演奏する。
②その後は、各楽器のメンバーが何コーラスずつか、順番に、原曲のコード進行にあわせて即興演奏(アドリブとかインプロビゼーションという。)をする。ドラムのアドリブは、フォーバース(4Bars Change、8小節ならエイトバースといいます。)といって、4小節ずつ他のメンバーと交互に演奏することが多い。
③最後に、原曲のメロディーを演奏して終わる。
といった感じです。

クラシックの場合は、ベートーベンやショパンといった作曲家が一音一音書き残した譜面を忠実に再現し、その中で強弱やニュアンス等で演奏家の表現、解釈を出していくわけですが、ジャズの場合は、映画音楽やミュージカル音楽、ジャズミュージシャンが書いた曲など(このようにみんながよく演奏する曲をスタンダードと言ったりします。)を題材にして、テーマをアレンジして、即興演奏をします。歌謡曲、童謡、自分のオリジナル曲でも、何でもいいのです。
このようにジャズでは、一音一音が決まっていないので、同じ題名の曲でも全く同じ演奏は存在しません。「ジャズに名曲なし、名演あるのみ」と言われるのは、そのためです。

4.ジャズにおけるピアノの役割

ピアノは、リズムセクションに位置付けられます。フロントのサックス、トランペット、ボーカルの人たちの伴奏をする役目があるので、いろいろなコードの押さえ方を覚え、コード進行に合わせてリズムを刻みます。

ピアノにアドリブの順番が回ってきたら、左手で和音を弾き、右手でメロディを崩したものやコードに合う音をパラパラと弾く、といった感じです。
また、ピアノの役割としては、イントロとエンディングを演奏することがよくあります。パッと渡された譜面で(おっ!知らない曲!?)「はい、イントロ出して~」なんてことが多いので、自分なりのパターンを身に付けておく必要があります。

とにかく好きなミュージシャンのレコードを聞いて真似(コピー)をしながら徐々に(気長に)ボキャブラリーを増やしていくしかないみたいです。